2015年はファーマ&バイオテクインダストリーで大きな飛躍をした年になりました。
医薬品市場で大きく歴史を塗り変えたのは、バイオファーマのギリアードサイエンシズ社のC型慢性肝炎治療薬、ソバルディ、です。ソバルディの2014年度グローバルセールスが$10.3 billion(1.2兆円;US$ 1ドル115円で換算)を記録した結果が発表されたのが2015年度初旬。同薬の兄弟品、ハーボニーも含めると、当社C型肝炎治療薬のセールスは$12.4 billion (1.4兆円;US$ 1ドル115円で換算)となりました。当C型慢性肝炎治療薬は2013年度12月にFDA認可となり、市場化の初年度(2014年)でのセールスナンバーが上記となったことになり、歴史上初年度売り上げナンバーワンの医薬品を記録しました。当C型肝炎治療薬ソバルディとハーボニーともにギリヤード社が2011年に$11 billionで買収したファーマセット社のプロダクトです。ギリヤードにとってはあの時の買収は正しかったのだと胸を張れる結果となったわけです(たくさんの批判が買収金額に寄せられたため)。 こうしたプロダクトの成功は、2015年度におけるバイオインダストリー投資にも反映されました。2015年度ベンチャーキャピタルによるバイオインダストリー企業への投資総額はUS$1.8 billion((2千億円;US$ 1ドル115円で換算)、バイオテクインダストリーにとって過去最高の年をマークしました。インダストリー別ではソフトウェア分野に次ぐ投資額です。一方で、2015年後半にはIPO市場に陰りが出てきています。 大手ファーマの動向として話題になっている、ファイザーの法人税軽減買収ストーリーがようやく固まりつつあります。アイルランドに本拠地を置くアラガン社とフレンドリーな合弁検討が進行中。ターゲットとなるアラガン社は総額$113 billion(13兆円;US$ 1ドル115円で換算)の企業。米国のニューヨークに本拠地を置くファイザーは米国の法人税を軽減するため、アイルランドのアラガンと合弁しアイルランドの法人税の低さを利用するのが目的です。ファイザーは前年にイギリス本拠地のアストラゼネカの買収を試みましたが激しい抵抗のもと、失敗を経験しています。 また、新たな動きとしてファーマやヘルステック以外の大手企業がヘルスケア市場に参入をしてきてます。いままでヘルスケアビジネスを持たないグローバル企業がヘルスケア産業に参入するのは珍しい動きです。グーグルの投資部門は2015年度の投資先のおよそ半分はバイオテクとヘルスケアにて、創薬やデバイスなどに投資。糖尿病診断用に開発をしてきたグーグルコンタクトレンズはベンチャー企業としてスピンオフ。また、グーグルの子会社として設立した治療薬開発バイオテク企業,カリコ、は着々とほか企業および研究所とタイアップ。今後も当社の投資対象のフォーカスはバイオ&ライフサイエンスという指針を出してます。ネスレ、クアルコム、IBMなども今後の動きが楽しみです。 皆さまにとって2016年が飛躍の年でありますよう願っております。 橋本 千香 Gallasus, Inc. |
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January 2016
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